ステンドグラスへの想い 22「住まいnet+ 福岡・vol.2」

昨年10月「住まいnet+福岡・vol.2」と言う新しい雑誌の依頼で
文章を書くことになった。
どちらかと云うと文章は大の苦手で最初ためらったが、
書き出すと意外に、情け無い文書でもどうにか形になるものだと実感…
描くことは好きだけど、やはり同じカクことでも文章を書く事は苦手ですね。
しかし職業柄、文章を書いたり取材などの依頼が多く
苦手とばかりは云っておれない現実がある。
私にとって、ここ3年間Blogを書いてきたことは大きいかもしれない。
文章の出来、不出来は別にして、少しばかり苦手意識は薄らいだように思う…

「住まいへの想い」本文

永年ステンドグラスに関わってくると、人それぞれ、オーナーの「住まい」に
対する特別の「想い」を感じることがある。
特に、個人宅のオーナーに強く感じます。
紹介で個人宅の仕事をさせて頂くとき、特に私自身のこだわりとして、
必ずオーナーと会い、話が出来るようにお願いします。
もし適わなければ残念だけどお断りすることもあります。
何故ならオーナーの「想い」に触れられないのに、私にはその方の為の作品を
創る事は出来ないからです。
お会いする方それぞれ「想い」は異なります。
熱い情熱を語る方、静かな中にも熱いモノを秘めた方、言葉少ない方、
ただただお願いしますだけの方に偏屈な方…
人それぞれですが皆さんに共通してる事は、新しい住まいへの期待の大きさです。
時々、オーナーの人生や夢に触れるときがあります。
そう言うときは、心から「想い」を適えてあげたいと思います。
「Heart]の中にこそ「Art]はある。
これは常日頃、私自身大切にしてることです。

長い時間かけ出来上がるステンドグラス。
製作はじめは、作業台の上は雑然としホント散らかってるだけで汚く、
とても美しいステンドグラスの姿は想像できない。
それが少しずつ時間と共に組み上がり全景を見せてくるとワクワクし、
過程で起こるアクシデントやトラブルさえも忘れてしまう。
喜んだり落ち込んだり興奮したりと飽きることはない。
最後の仕上げ、汚れなどを拭き取り、時間を掛けてきれいに磨き上げ、
窓に立てかけた瞬間、あたかも命が芽生え、息吹き輝く様は、
作家だけに与えられた唯一の至福のプレゼント。
しかし、本当の輝きはアトリエでの姿ではありません。
ステンドグラスの嫁入り先に収まった時の美しさは、アトリエの比ではありません。
理屈でなく(ステンドグラス)が心から喜んでるのが解ります。
オーナーの「住まいへの想い」に触れ、添える答えは、
オーナーの喜びを心から受け止めることが出来たときです。
私にとって完成し終わりであっても、オーナーにとっては始まりです。
「Heart]の中にあるArtを創れないと「想い」を適えることにはなりません。

ステンドグラスを通じての「想い」のかずかず…
たくさんの出会いの中で感じることが出来ました。
そこには時間という軌跡が成せる技があります。
出来れば「想い」という、良い年輪をこれからも刻んでいきたいですね。

☆余談になりますが、Blogを書く中で、自分勝手な語の遊びをよくやります。
 読まれた方はお気づきだと思いますが、(作る・造る)は私にとっては「創る」です。
 作るや造るでは味気ない、恐れ多いが創造で常にクリエイティブでいたい
 願望を込めて使います。
 (思い)は、個人的好みで「想い」と、よく使い分けています、
 後者の方がより心の比重が多いようにおもえ、(楽しい)は「愉しい」をよく使います。
 楽しいより優しく感じ、心から愉しんでるように私には感じられるからです。

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