ステンドグラスへの想い 15 エッチング

花/Saisons  w3000×h2500   東京/麻布

つい最近、 ステンドグラスの仕事でなく、同じガラスの仕事だが「エッチング」の話が来た。
本職以外の仕事の依頼があると、とても緊張する。
しかし、挑戦したい気持ちの方が勝り、初めての仕事ほど燃えてくる自分がいる。

縁の仕事は、私自身、常に大事にしてる事だけど、新しい分野へのチャレンジは
反面、緊張とプレッシャーで関わってる間中、失敗に怯えている自分がいる。

エッチングは今回で3度目だが、
今回の仕事の依頼は、レベルの高い作品を求められた事と遠方(東京)だった事もあり、
オーナーの感覚が人を介してしか伝わらず、デザインをするのに、
何時も以上に時間がかかってしまった。

意図がつかめず、何度も何度も描き直す…
それでも、気に入る絵が描けない、プレッシャーで追いつめられる…
最初は、今回の仕事は楽だなと簡単に考えていた自分を深く反省する。
(そうなんです、楽と思った時点で自分の気持ちが、もう負けている、ホント情け無い!)

テーマは“花”、四季の花を表現、エッチングは“スリ絵”でなく、
深彫りで、私の作品を作ってほしいとハイクオリティな作品を依頼される。
私自身、簡単なエッチングはするが、レベルの高いエッチングは出来ないので、
パートナー選びが最も大切な仕事になる。
パートナー次第で作品のクオリティが断然違ってくるし、
そして最も重要な事はパートナーとのお互いの信頼関係と思う。
私自身、この件に関しては、全く迷いがなく、
過去2回関わってくれたU君にお願いする。
今回の仕事の中で最も時間を掛けたのは、絵に対する彼との意思の疎通であった。
“花”ひとつひとつの表現方法の打ち合わせ、そして本番にかかる前のためし彫り、
OKを出すまで、何度も打ち合わせ…
彼もいい加減頭に来たと思うが、よく私の無理な要求に応えてくれたと思う。
また、最後まで関わったくれた彼と、彼を長い時間拘束させてくれた会社に
心から感謝したい。

余談だが、途中U君の利き腕が上がらなくなってしまったらしい…
おかげで良い作品ができ、こころからオーナーに喜んで戴き、さらに感謝。

これからも新しい分野に、積極的にチャレンジしていきたいものです!

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