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私が今日までに携わったお寺の仕事(納骨堂)は4件。
最初は、北九州中間市にあるお寺で、モダンな拘(こだわ)りのある
木造の日本家屋様式だった。
2007年 公私供に懇意にしている設計事務所より、佐賀市中心部にある
古い歴史あるお寺の仕事の依頼あり。
2件目となる納骨堂の話し、打ち合わせに伺い完成図(パース)を見て一瞬
“エッ!これ納骨堂…”、お寺に対する先入観があっただけに正直驚きであった。
4百年の歴史を感じさせる本堂の直ぐ前に、場違いとも思えるガラスを
メインにした打ちっ放しの現代的な建物。(上記の写真)
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場所が違えばごく普通に見えた建物が、古い歴史のある本堂と対比して
想像しなかった空間が、そこには有った。
面白い! またひとつ私の中に引き出しが増える…
しかし、保守的な世界と考えられるお寺と檀家の方々へのコンセプトの提言、
ホント仕事とは云え、建築家と施主の契約までの時間と気苦労は、
老婆心ながら如何ばかりだったか…と思ってしまう。
今回、打ち合わせに最初から関わらせて頂いたお陰で、
ステンドグラスだけでは無く、ご本尊である須弥壇の空間までも
トータルに任せて頂き、打ち合わせの中での私の何気ないアイデアを
率直に受け止め、取り入れて頂いた事に感謝した。
須弥壇を仏壇ではなく、建物のイメージにあわせ、
ガラスでシンプルに表現させてもらった事は、正直作家冥利につきる。
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建物の外観デザインと室内デザインのコンセプトがしっかりある中での
ステンドグラスのデザイン…最初は正直プレッシャーを感じた。
建築家とは事前の打ち合わせで、白一色のステンドグラスで行こうと
方針を決め、私の中で感じたイメージは “ひかりの表現”でした。
光線のように差す光や輝く光では無く、水辺や水面にきらめく“ひかり”の
イメージでした。
いつも、最も大事にするファーストインスピレーション。
感じたままに素直にデザインした作品ですが、やはりご縁のあった作品でしょうか…
いつもより悩まないで苦労無く、爽やかにデザインできた好きな作品の
一つになりました。
ちなみに仏壇は全てオリジナル製作、そして建築照明は、
その当時新しい試みのLEDでした。
歴史ある空間の中での,現在(いま)を強く感じた仕事でした。
今日のLED(チップでひかる)を初めて知った物件でしたが、
正直、まさかこんなに早くLED照明が進化するとは思いませんでした。
ホントサイクルのスピードが早い…と云うより早過ぎる。
コメント
モダンな納骨堂ですね。
資料が有れば頂けませんか。