前回書いたように私にとって“太宰府”は、とても縁の深い土地です。
2006年初め、建築家のT氏より、思いも寄らない「九州国立博物館」の
ステンドグラスの話が来た時は、正直驚きました。
“太宰府”の地での仕事と云うだけで私自身ワクワクしました。
自分にとって“縁”のある場所の仕事は、とても嬉しいものです。
この仕事を始めてから、いつも“縁”のある土地の仕事は何故か燃えました。
別に人にとっては当たり前の事が、私個人にとっては妙に他人事ではなく特別の事に思え、
自分勝手に“想い”の世界に入り込んでいます。
勝手に浸ってるだけですが、ひとつひとつ攻略する場所(町)を
頭の中で塗りつぶして行く永年の密かな遊びは、私の愉しみのひとつです。
私を育ててくれた町や縁のある土地の仕事の話が来ると、念願の望みが叶った時の
嬉しさと同じで…しばらく喜びに浸っています。
インフォメーションの正面 右側に位置します
そんな私の念願の仕事が“縁”の深い“太宰府”…恐れ多くも九州国立博物館の
仕事の話でした。
“九州国立博物館”は、“小倉裁判所”の次に国の建築物に入れさせて頂いた
仕事の第2弾でした。
前回の写真で解るように、正直変わった建物です。
最初観たときは、ご免なさい“異様に思えて…”しばらくは馴染めませんでした。
森の中に浮かぶコバルトブルーの曲線の屋根、巷では未だに賛否両論あるみたいですが
内部は国の建物と云うだけに、他の公共の建物とは段違いに凝っていて
高級感があります。
またセキュリティーも厳重で、打ち合わせに伺う度にチェックされ
ひとつひとつ段階を踏んでいく打ち合わせは重みを感じました。
過程としては、2回目の打ち合わせでラフスケッチのデザイン画を提出し
デザイン画のコンセプトを説明させて頂いた。
決定まではしばらく時間が掛かりましたが、決定の話しをいただいて
最終仕上げの本デザイン画にかかる…
デザインで最もこだわったのは、“太宰府”の象徴の花である“梅”を描く事と
早春の爽やかさを表現できたら良いなと思い、早春の風と光と花をテーマにして
デザインしました。
タイトルも「早春の景/Ⅰ・Ⅱ」と付けさせて頂いた。
今見ると、まだまだ未熟さばかりが目に付いてしまう。
彼処はああすれば良かった…此処はこうすべきだったと課題ばかりが増え、
自信が揺らいでくる。
いつも出来上がった作品を時間を於いて見てみると、悲しいかな未熟な自分に出合う…
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