ステンドグラスの想い 32  太宰府2

title:「早春の奏R/早春の奏L」  九州国立博物館エントランスホール

前回書いたように私にとって“太宰府”は、とても縁の深い土地です。
2006年初め、建築家のT氏より、思いも寄らない「九州国立博物館」の
ステンドグラスの話が来た時は、正直驚きました。
“太宰府”の地での仕事と云うだけで私自身ワクワクしました。
自分にとって“縁”のある場所の仕事は、とても嬉しいものです。
この仕事を始めてから、いつも“縁”のある土地の仕事は何故か燃えました。
別に人にとっては当たり前の事が、私個人にとっては妙に他人事ではなく特別の事に思え、
自分勝手に“想い”の世界に入り込んでいます。
勝手に浸ってるだけですが、ひとつひとつ攻略する場所(町)を
頭の中で塗りつぶして行く永年の密かな遊びは、私の愉しみのひとつです。
私を育ててくれた町や縁のある土地の仕事の話が来ると、念願の望みが叶った時の
嬉しさと同じで…しばらく喜びに浸っています。

 インフォメーションの正面 右側に位置します 

そんな私の念願の仕事が“縁”の深い“太宰府”…恐れ多くも九州国立博物館の
仕事の話でした。
“九州国立博物館”は、“小倉裁判所”の次に国の建築物に入れさせて頂いた
仕事の第2弾でした。
前回の写真で解るように、正直変わった建物です。
最初観たときは、ご免なさい“異様に思えて…”しばらくは馴染めませんでした。
森の中に浮かぶコバルトブルーの曲線の屋根、巷では未だに賛否両論あるみたいですが
内部は国の建物と云うだけに、他の公共の建物とは段違いに凝っていて
高級感があります。
またセキュリティーも厳重で、打ち合わせに伺う度にチェックされ
ひとつひとつ段階を踏んでいく打ち合わせは重みを感じました。
過程としては、2回目の打ち合わせでラフスケッチのデザイン画を提出し
デザイン画のコンセプトを説明させて頂いた。
決定まではしばらく時間が掛かりましたが、決定の話しをいただいて
最終仕上げの本デザイン画にかかる…

早春の景・Ⅰ(右)
早春の景・Ⅱ(左)

 デザインで最もこだわったのは、“太宰府”の象徴の花である“梅”を描く事と
早春の爽やかさを表現できたら良いなと思い、早春の風と光と花をテーマにして
デザインしました。
タイトルも「早春の景/Ⅰ・Ⅱ」と付けさせて頂いた。

今見ると、まだまだ未熟さばかりが目に付いてしまう。
彼処はああすれば良かった…此処はこうすべきだったと課題ばかりが増え、
自信が揺らいでくる。
いつも出来上がった作品を時間を於いて見てみると、悲しいかな未熟な自分に出合う…

コメント

タイトルとURLをコピーしました