ステンドグラスへの想い 23 思いつきのヒント

玄関入り口天井  w1200×h1200    Oct.’96

今から11年前に苓北町の慈恵病院/如水館(SGへの想い21)の
仕事の後だったと思うが、同じ建築家の方からの依頼で、
久留米市荒木町の南陵病院の仕事を頂いた。
移転新築で旧南陵病院は、丁度この町出身の歌手松田聖子の生家の前にあり、
驚いたことに玄関を入ると待合室に大きな鳥小屋…!
ウサギと小鳥たちが診察待ちの患者さん達を和ませていたのが強く印象に残ってる。
しかしそれ以上に印象に残っているのは院長先生の趣味であるオーディオの凄さ、
今でも忘れることが出来ない。
確かシーメンスのスピーカー(日本に1台か2台しかないと?)だったと思うが、
スピーカー1個の値段が家一件分と聞いた(驚き)。
その他にもかなり高級なオーディオがあり、音を聴かせて頂いたが、
どれも臨場感と音のクリアー差やシャープ差が、全く想像を超え違った。
私も昔はオーディオにかなり狂った時期があるので、多少は分かるつもりですが
私が今までに聞いた事のない音でした、過去に聞いた幻のスピーカー「後藤ユニット」
の次に驚きのオーディオの音でしたね…!

取り付け直後

玄関入り口の天井にw1200×h1200のパネルと自宅に2点作品を創らせて頂いた。
天井のパネルに、ちょっと思いつきで実験的に使ったガラスが、
想像以上に面白い効果が出て、自分自身うれしくなったことを思い出す。

東京の興和商事のアンティーク・ストリッキー(フィッシャー)のガラスサンプル。
丁度ステンドグラスをやり始めた時で、当時お金が無く厳しい懐具合だったけど
思い切って購入したガラスサンプル。  (高くて当時は勇気入りましたね)
10cm×10cm位の大きさのガラスサンプル‥現在では残念だけどもう無いですね。
このサンプルにはガラスを選ぶ時、当時、私自身大いに助けられました。
九州にいる以上、問屋は東京か大阪、名古屋にあり
ガラスを思うように選べない地方のもどかしさと悲しさが有ります。
問屋のお膝元の人達がホント現在でも羨ましいですね。(状況は今でも変わりませんが‥)

ただ普段サンプルは埃をかぶってる時が多く、寝かせるには勿体ないと常々思ってはいても
なかなか活用出来なくて、棚の上で必要時以外は忘れられている存在…
どこかで生かせないかと考え、無い知恵を絞るんですが思いつかずなかなか実行に移せない。

南陵病院のデザインで悩んでる時、苦肉の策で、フッと思いついたのは
気になっていたサンプルガラスを主役で使ったら愉しくて面白いかも…
風景の良いガラスがあり、惚れ込み、生かすデザインはしても、
サンプルガラスに合わせてデザインした作品は有りませんね。
でも有っても良いかな…?
私自身にとって思いつきで創った唯一の作品、珍しく未だにこれ一つしかありませんね。
デザインで遊び、ガラスで愉しんで遊ぶ…構えないでナチュラルに向き合った方が
良い作品が出来るかもしれないですね。
コンセプトや内容を突き詰めて描きあげる作品も有るが、
白紙の紙を目の前にして思いつきがヒントでアイデアを出す事は、振り返ってみると結構多い。
面白いヒントが出た時には、ホント手が勝手に動き出し、気が乗ってくるのが
リアルに解る。
こういう時が一番うれしいですね。
カラフルに愉しく踊るガラス達…、当時、嬉しくなって愉しくなって
しばらく眺めていた事を思い出しました。

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