スティービー・ワンダー

私の仕事柄、四六時中アトリエに籠もる事が多い為、どうしても音楽は欠かせない。
CDを聞いてるかFMラジオをよく聞いている。
ある日、いつものようにラジオをかけてると、FMから流れてきた曲がある‥
何気なく手を動かしながら聞いてると、どうも聞いたことがある声だけど
誰だろう?
気になって番組の最後まで聞くと、スティービー・ワンダーだと知る。
エッ!  まさか‥よく知ってる筈なのに最後まで分からなかった。
歌い方が、私が知ってるスティービー・ワンダーらしくなく、しかし実に良い感じなのである。

10年ぶりの新作”タイム・トウ・ラブ”の中で1曲目にある
”イフ・ユア・ラブ・キャンノット・ビー・ムーブド”
反戦及びかなり批判した歌だと思うけど
好きですね
このCDは私の好きなコレクションの一つになりました。
当然、聞き終わった後、すぐにCDを買いに行ったのは言うまでもありません。

新作の宣伝で来日し、インタビューがラジオ番組の中で流れ、
その後、朝日新聞にインタビュー記事が載り読んでみる。
プライベートで悲しい事や辛い事などがあり、
創作意欲が一時萎えた後の、10年振りに出したオリジナルアルバムだと知る。
だから最初曲を聞いたとき、心に響いたのでしょうね。

彼が記事の中で
「この10年、いわば”人生を生きていた”んです。
 私たちは、牢獄に捕らわれてるのではないけれど、人生そのものに捕らわれている。 
そこには悲しみの時もある。 嘆きの時も、幸せの時も。
そして今、愛し合うとき(タイム・トウ・ラブ)が来たと言うわけです」

と言っている。

また、さらに
アンチ平和、アンチ愛にあふれている。  ある種のリーダーは、アラーや神への
人々の献身を自分のために利用している。でも我々は人間で、選択する能力がある。
自由意思がある(誰かの言いなりになるのではなく)、
自分が何をしているかに責任がある。   私も、歌うことに責任を負ってます

とも言っている、何故か考えさせられてしまう。
しかし、インタビューで最も私の心をとらえた言葉は、

”私に出来るのは、私が出来ることについて、私が出来るベストを尽くすことです”

今から20年ほど前、”ウイ・ア・ザ・ワールド”が大ヒットしてる最中、
彼が福岡公演に初めて来た時、ご縁で彼の送迎の車を運転することになった。
普通できる事ではない出来事、
2.3日一緒に行動した体験は、今も記憶にハッキリと強く残っている。
何よりも、私の思い出に残ってるのは、車中で常に聞いた彼の生歌!
ライブの姿そのままに、絶えず歌っていたのを思い出す。
側近の人に尋ねたところ、彼は歌を歌いながら、たえず作曲してるとのこと、
その為か、ソニーの録音機があるスタジオがないかと、しつこく訪ねていたことを思い出す。
強面のお兄さん達がボディーガードとして何人も着いて来てたが、
そんな中で、彼の穏和な人柄は際だっていた。

2・3年前か、記憶は定かでないが新聞記事で、実の兄さんが亡くなったと知った時、
多少知っていただけに、ショックだった。
プライベートの時もライブの舞台でも、
常に彼の足代わりとして兄さんは、自分の肩に、彼の手を掛けさせ
誘導してた姿が強く焼き付いている。

兄さんが亡くなったり、最初の奥さんがガンで亡くなったり、
その上尊敬していたレイ・チャールズまでもが亡くなり、かなり落ち込んでいたと思う…
彼ほどの天才でも歌えなかった時がある。
しかし、悲しみを乗り越えて出来たアルバムは、素晴らしい作品に出来上がってる。
娘さんとのツーショットとデュエットが微笑ましい!

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