ステンドグラスへの想い 1

ステンドグラスと関わって、23年になる。 もう23年、まだまだ23年…。
あっと云う間に過ぎた時間、振り返ると、ステンドグラスに対する自分自身の考え方や信念、
それに想いが, 微妙に変化してきた事を感じる。 
状況に応じて変化せざるを得なかった事もあるが、たえずこの道に関してだけは
前向きにプラス指向でやって来た自負がある。   
悲しい事、辛い事、投げ出したい事、あげれば切りが無い…、
しかし、それ以上に喜びや、楽しさ等、幸せを一杯ステンドグラスから頂いた。 
現在は、人間として大きなプレゼントをいただいたと思う。( 感謝しています)

思い返せば最初の頃、欲望に涸れ、負けて堪るかと唇を噛みしめながら、若さだけで夜遅くまで
身体を酷使、でも現状は厳しく、仕事の無い日々、貧乏のどん底、自分の悪さは棚に上げ、
自分だけが正義の顔をして、 誰彼無く食って掛かっていた私がいる。
よく喧嘩もしていたし…、 憎たらしくて、青臭い、とても喰えない男だったでしょうね。(反省) 
その当時を思い起こすと、私が作品に描いていたのは、欲求不満の心象風景でした。 
ただただ、正直な想いを力一杯ぶつけたかったし、過酷な状況の中で、
唯一、私自身を表現し、吐き出す事がバランスの取り方だった様に思います。 
今思えば、決して良い姿 だとは思いません。  

夢、見果てぬ夢だけが、ただ当時の私を支えていました。 
デザインや技術を磨く事、ステンドグラスの世界での地位を得る事だけを自分勝手に考え、
傷ついてる人が側にいてこそ成り立っている事など、露程も考えていませんでした。
エゴの固まりで本当に恥ずかしい話です…! 
今思うと、自分の事以外、何も見えていませんでした。
その当時、歪んだ負のエネルギーだけが、活力だったんでしょうね。

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